2011年01月08日

ツィマーマンのリスト:ピアノ・ソナタ


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おそらくは譜面に忠実なアプローチにより、堅実に構築されている一方、デュナーミクの幅広さがきわ立つ豪快な演奏であり、ピアニスティックな傑作にふさわしい高い演奏効果がもたらされている。

また、強奏にあっても響きは濁っておらず、音色に対するツィマーマンの繊細な感覚がうかがえる。

さらに、このリスト作品に秘められた内省的な側面ないし瞑想性についても、ツィマーマンは、奥深いところまで追求している。

ツィマーマンのすばらしいテクニックと澄んだ輝きと絶妙なニュアンスをそなえた音が最高度に生かされているとともに、作品に対する深い読みが少しの逡巡も、また誇張もなく示されている。

スリリングであるとともに、これほど美しく生き生きと安定した《ロ短調ソナタ》の演奏も珍しいだろう。

真っ正面からリストの全体像に挑みながら、道を踏みはずさないのがツィマーマンだ。

堂々たる構築性に突き進むのではなく、情念のおもむくまま、ロマン的な世界に没入するのでもない。

確かに、どこかの方向に焦点を合わせ、走ってしまうのもリストの音楽の魅力を引き出すことにはなるはずだが、あれもこれも求め、どちらも得てしまうツィマーマンに舌を巻く。

ピアノという楽器の威力を存分に示し、幅の広い演奏をつくりながら、一方で溺れんばかりにロマン的情感に浸る。

それでいながら、どこか覚めていて、調和をとる。

至極まっとうに聴こえるリストなのだが、同時に見事に成功した離れ業なのではないだろうか。

4曲の小品も傾聴に値する。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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