2011年03月14日

ケンプのシューベルト:ピアノ・ソナタ全集


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ケンプ晩年の録音で、どの作品も、シューベルトの"歌心"を、ごく自然に、温かくひきあげたもので、こうしたぬくもりのある演奏というのは、こんにちでは少なくなった。

ケンプの格調の高い叙情性は、シューベルトにふさわしく、叙情的な資質を実に端的に表明している。

ソナタは18曲を演奏しているが、どの曲もシューベルト特有の詩情とロマンが芳醇な薫りをもってあふれんばかりに示されている。

そのすべてに共通した、滋味ゆたかな、温かさにみちた演奏は常に高雅であり、繊細で柔軟な歌にあふれている。

この自然体の音楽は作品の本質そのものの表現といってよい。

アゴーギクも妥当で、数多いシューベルトの録音でも特筆すべきアルバム。

ケンプの資質の最良の部分があらわされており、彼の芸の深さをうかがうことのできる名演である。

最近でこそ多くのピアニストが取り上げるようになったが、かつては繰り返しの多い退屈になりかねない音楽として、シューベルトのソナタは敬遠されがちであった。

しかしその頃から積極的に演奏に臨み、後期の有名な作品ばかりでなく、ついには全曲を録音したのは、メジャーな演奏家としてはケンプが初めてではなかったろうか。

この全集を聴けば良く分かるが、まるで天国から啓示を与えるかのような至福の表情を持つケンプの音楽性は、まさにシューベルトにぴったりだったのだ。

近年はシューベルトに関心を示すピアニストも多くなったが、全集まで録音しようとする人は少ない。

今聴き直してみても、その存在価値にはいささかの揺らぎもない。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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