2011年02月19日
アバドのヴェルディ:マクベス
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アバドとミラノ・スカラ座によるオペラ全曲の初録音。1975年の同オペラの開幕を飾ったキャストによる録音とされる。
アバドがスカラ座の音楽監督時代の最初のオペラ録音に《マクベス》を選んだのは、いかにも思慮深い指揮者らしいが、それだけ自信があったからだろう。
実際、この《マクベス》はしばらく録音から遠ざかっていたスカラ座のすばらしさを多くのファンに再認識させるとともに、ヴェルディ指揮者としてのアバドを強く印象づけたわけだが、キャストも非常に強力である。
とくにマクベスのカプッチッリをはじめ、バンクォーのギャウロフ、マクダフのドミンゴは、それぞれ個性的な役柄を見事に表現しているし、マクベス夫人のヴァーレットもうまい。
さまざまな情景や心理を鮮やかに表現しているオーケストラと合唱の多彩な表現力も聴きものである。
イタリア出身の指揮者は、アバドに限らず、やはりオペラを指揮したときが最も生き生きとした表情を見せる。
そしてオペラの領域でアバドが最も輝いていたのがスカラ座の音楽監督時代。
この時代に録音されたヴェルディ作品は、今も最上級の名に恥じない。
この《マクベス》も、それまであまり知名度の高くなかったこのオペラの真価をまざまざと知らしめたという意味で忘れられないものである。
各場面の情景さえも音で見事に浮かび上がらせる多彩な音色と表情を持つオーケストラ。各役の個性的なキャラクターを的確に押さえたキャスト。多面的な要素を見事に一つのドラマへと収斂するアバドの統率力。
どれをとっても第一級である。
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