2011年01月28日
ケルテスのバルトーク:青ひげ公の城
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ペローのおとぎ話集『マ・メール・ロワ』に出てくる『青ひげ公』の物語を、バルトークの友人バラージュが台本化したものに基づいて作曲されたバルトーク唯一のオペラである。
物語は、理性的で孤独な男、青ひげ公と、その男のすべてを知りたいと考える好奇心の強い若妻ユディットを中心としたもので、城の中の複雑怪奇な部屋の扉を開けるごとに夫の正体がわからなくなる妻が、最後の扉を開けたとき、夫の残忍な姿を知る、という内容。
このディスクは、1973年に事故死したハンガリー出身のケルテスによるもので、歌手たちのハンガリー語の発声法がしっかりしているところが魅力だ。
演奏は、この作品全体を支配する、暗く、幻想的な雰囲気を見事に引き出したもので、ケルテスの棒は終始鋭い。
ケルテスは精緻でたくましい音楽運びで、全体をオペラティックにまとめ上げてゆくが、その明晰極まりないドラマの世界は、強い説得力を持っている。
ケルテスは、精妙な音色的効果を神経質に鋭く描くことにより、大きなドラマティックな起伏の中に神秘的ムードを強調した点で、オペラティックな表情の濃厚な演奏である。
青ひげ公のベリーは、この役の冷たい性格をうまく表現しているし、ユディットのルートヴィヒも、好奇心旺盛な若妻が、恐怖にふるえるありさまを鬼気せまる迫力で演じている。
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