2011年02月04日
百万ドル・トリオのラヴェル&チャイコフスキー::ピアノ三重奏曲
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3人の巨匠たち(ルービンシュタイン、ハイフェッツ、ピアティゴルスキー)によるこの豪華な顔合わせのトリオは"百万ドル・トリオ"と呼ばれ、当時(1940年頃から50年頃まで)の音楽界の大きな話題になっていた。
しかし百万ドル・トリオの録音は、初めはわが国ではアメリカ的などと誤解され、なかなか真価が認められない傾向にあったが、時間を経過した現在の視点で再度接してみると、そのどれもがアンサンブルの演奏解釈の妙をきわめた格別の熱演以外の何者でもない。
欲を言えばチェロがフォイアマンでないことが惜しまれるが、あらゆる点からみてやはり桁はずれの名演である。
このラヴェルのピアノ・トリオは彼らの実力が最大限に発揮された名演の一つと筆者が確信している演奏で、彼らの録音の中でも最高位にランクされてしかるべき名演中の名演である。
ここでは歴史的に巨匠ならではの自信に満ち溢れた輝かしい表現が際立ったものになっているが、それはむしろ表面的な特徴であり、そこではそれ以上に3人の絶妙な呼吸の一致やキメ細やかなアンサンブルの妙などが光彩を放っているのである。
完璧なテクニックを駆使して輝かしく作品を語り継いでいく彼らの表現は、ゴージャスで巨匠的な魅力をふんだんに感じさせながら、細部まで熟考されつくしたアンサンブルの見事さを誇っており、さらに楽曲の把握のあり方についてもまったく隙がない。
表現のツボが見事に把握されたこの演奏にあっては、アンサンブルの密度と完成度の比類なき高さが私たちに深い感銘を与えるのだ。
チャイコフスキーも3人の円熟した芸を堪能することのできる演奏だ。
個性の強い演奏家たちの共演だが、そのアンサンブルは絶妙で、しかも格調が高い。
表面的には力強い表現力や大きなスケールが目を引く演奏であるが、その輝かしい表現は、アンサンブルとしても恐るべき次元の高さを示している。
第2楽章はピアノ優位に書かれているが、ルービンシュタインの豊かな表現力は見事だ。
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