2011年02月09日
リヒテルのチャイコフスキー、プロコフィエフ、バッハ:ピアノ協奏曲第1番(スプラフォン盤)
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リヒテルが"西側"にようやくその実体をあらわし始めたのが1959年。
それまでは幻のピアニストとして封印されていた。
しかし今日では、その"幻のピアニスト"時代が録音演奏によって次々と復元されている。
本盤もそのひとつで、リヒテルが初めてプラハを訪れた際(1954年)に収録されたものである。
当時のリヒテルは39歳。この頃の彼の演奏には、何か肩で風を切る壮快さがある。
一音一音の音質の端麗さはいうまでもないが、表現にはムラがなく、一気呵成に最後までもっていく表現力は尋常ではない。
チャイコフスキーは速いテンポでぐんぐん進めつつ、たくましい打鍵でピアノ全体を鳴らしている。
思い切ったルバートで情感を盛り上げ、時にはすさまじいスピードで突進するなど、なかなかスリル満点だ。
プロコフィエフは後年のリヒテルに比べるとコクがない。
なかでは感情をこめて豪壮なクライマックスを築き上げる第2楽章が聴きものだ。
アンチェルの指揮は清らかで柔らか味もあり美しい。
身を切るようなバッハの美演、プロコフィエフの精悍なピアニズム、そしてチャイコフスキーの奔放さ!
まさに極上のリヒテルがここにある。
とくにチャイコフスキーはアンチェルの指揮ともども、ムラヴィンスキーやカラヤンとの共演盤と比べても遜色のない名演といえよう。
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