2011年02月10日
バレンボイム&バイロイト祝祭のワーグナー:ニーベルングの指環
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クプファー演出の《指環》を映像収録した際に、あわせて録られたサウンド・トラック的な録音。
《ラインの黄金》のみ1991年、他3作は1992年のバイロイト音楽祭でのライヴ。
私自身がこれまでにいちばん大きな感銘を受けた《指環》は、バイロイトで1988年から1992年まで続いたバレンボイムの指揮によるものである。
バレンボイム独自のグラマラスな音楽作りと、現代的な機能美の混在した演奏として、たいへん聴きごたえがある。
ベーム時代のバイロイトと比べると近年は歌手が小粒になり、ワーグナー特有のアクは希薄になった印象は否めない。
また、指揮者も独自の個性を主張するあまり、ワーグナー本来の姿を見失いがちな傾向が見られる。
そうしたなかで、ワーグナーを聴いた充実感をもっとも感じさせてくれたのが、バレンボイムの《指環》だった。
バレンボイムは強者ぞろいのバイロイトのオーケストラを緩急自在に操り、スケールの大きな音楽を作り出している。
歌手陣も、作品を味わうのに過不足のない水準を示している。
アン・エヴァンスのブリュンヒルデなど、一部に弱いキャストはあるものの、配役は録音当時望み得るベストに近い。
クプファーの演出意図にそったバレンボイムの指揮も、後へ行くほど深く曲の内面に踏み込み、後半の見せ場の数々では、CDに残されたフルトヴェングラーの歴史的名演にも迫る。
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