2011年02月14日
フォーレ&デュリュフレ:レクイエム~宗教作品集(エラート盤)
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古い時代から数多く録音されているフォーレの《レクイエム》の中で、フレモー盤ほど清純な演奏も少ないように思う。
音楽的な美しさと同時に深い宗教的な感情も自然に感じさせる演奏で、その点でその価値は現在でも少しも変わることがないように思う。
まず何よりも各曲のテンポ感がほぼ理想的で、音楽のあるべき姿を自然に浮き出させている。
また、管弦楽と合唱の響きが実に美しく融和し、こうした宗教曲に必要な、ヴィブラートの少ない純粋な音の響きが、この清らかな表現を可能にしている一因でもあろう。
また〈ピエ・イエズス〉をボーイ・ソプラノが歌っているが、大人のソプラノでは表現し得ない清純さがあり、それも魅力的である。
フォーレ以降に書かれた、フランスの最も有名な《レクイエム》はデュリュフレの曲ではあるまいか。
デュリュフレの《レクイエム》は第2次大戦終結後間もなくの1947年に作曲されているが、フォーレの場合と同様に父の死が作曲の動機となったもので、レコード録音は1959年に行なわれたこの作曲者自身の指揮によるものが、おそらく最初のものではないかと思う。
その後かなりあとになってからいくつかの録音が出るようになったが、いまだにこれ以上質の高い演奏はないように思われる。
やはり作曲者自身が指揮し、名オルガニストであった夫人のマリー=マドレーヌも参加した演奏は一味違う。
作曲者自身による作品の解釈という点ばかりではなく、それに見事に応えている演奏者たち、とくにフィリップ・カイヤール合唱団のすばらしさは特筆に価する。
作品もグレゴリオ聖歌を中心とする声楽部と近代フランスのモダンな響きによる管弦楽部が美しく融和している。
フォーレの《レクイエム》のクライマックスが〈ピエ・イエズス〉なら、この曲に関しては静謐な合唱で歌われる〈永遠の光〉であろうか。
フォーレにも匹敵するフランスのレクイエムの最高傑作である。
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