2011年02月22日
小澤のフォーレ:管弦楽曲集
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小澤&ボストン響の8年ぶりのDGへの新録音で、初のフォーレだった。
メーテルランクの戯曲『ペレアスとメリザンド』のロンドン上演に際し、英女優キャンベル夫人からの依頼で書きあげた全17の曲の劇音楽のなかから、3曲をとりあげて、フォーレは組曲を作った。
のちに〈シシリエンヌ〉を加えて4曲からなる組曲にした。
近年は〈メリザンドの歌〉を入れて演奏するようにもなった。
小澤征爾の『フォーレ管弦楽名演集』に収められた《ペレアスとメリザンド》が聴きもので、小澤はデリケートな感覚で各曲を丹念にまとめあげている。
小澤の得意とするフランス音楽だけに、その描写力の卓抜さに魅せられてしまう。
美しい色彩感と抒情的な味わい、全編にただよう詩情など、この曲の魅力をあますところなく伝えている。
ことに、デリケートな感覚で流麗な旋律を心ゆくまでうたわせた〈シシリエンヌ〉など見事である。
ボストン響も、美しくまろやかにとけあった響きで、優れたアンサンブルを聴かせる。
オーケストラの繊細さや音色的推移の美しさ、豊かなリリシズムなどが生きた好演といえよう。
梢の葉を揺らす銀色の風にも似た風雅な余情を感じさせる演奏だ。
ボストン響の首席チェリスト、エスキンの弾く「夢のあとに」と「エレジー」は特に高音が美しい。
組曲「ドリー」もかなりの出来。
「パヴァーヌ」はいかにも小澤らしく流れが豊かだ。
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