2011年02月20日

ウラッハ&ロジンスキのモーツァルト:クラリネット協奏曲


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ウィーン・システムのクラリネットによる古き良きウィーン・スタイルの頂点的演奏。

録音の古さも手伝って、文字どおり伝説的レコーディングの部類に属するものだが、今ではもはや、この曲のスコアからウラッハのような音のコクと深々とした味わい、暖かい広がりを引き出す奏者はいまい。

モーツァルトのクラリネット協奏曲を語る時、必ず話題になる演奏で、半世紀以上前(1954年)のモノーラル録音が何故これほど人を惹きつけるのだろうか。

それはウラッハの演奏が自然体で、人に聴かせようとしたり、自分の個性を押し出そうとする意図がなく、それでいて音楽のさまざまな要素が見事なバランスのもとに統合されているためである。

音色は美しく、響きは柔らかく、表情も抑制されているが、それらが落ち着いた解釈と結びついて親密な雰囲気をかもし出す。

勿論、その根底にあるのはウィーンの伝統的なモーツァルトへの共感だが、ウラッハはそれを誇示することはない。

その嗜みの良さも魅力の一つである。

ここにおけるウラッハのクラリネットの優雅な響きに心ときめかさないような音楽ファンは、おそらくいないだろう。

彼が活躍したのは、今日からするとすっかりセピア色になってしまったような時代ではあるけれど、その奥床しい音楽性は少しも変色していない。

クラリネットに要求される音質がより明るく鋭くなり、感覚的で小回りのきくものへと変遷してきた現在、ウラッハの示した渋く懐の深い演奏は却って違和感を覚えさせるようになっているのかもしれないが、その分だけ逆にカルチャー・ショックのような形で我々の耳に届きもする。

この協奏曲のかつてのかくあるべき姿を彷彿させる意味でも誠に貴重な記録である。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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