2007年12月20日
テバルディ&セラフィンのプッチーニ:蝶々夫人
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プッチーニの音楽はメロディーの美しさによって知られているが、それ以上に音楽とドラマとの結合が見事だ。
カラヤン指揮、フレーニ、パヴァロッティによる《蝶々夫人》がこのオペラの精妙な美しさをきわめた名演だとすれば、このセラフィン指揮、テバルディ、ベルゴンツィのものは、このオペラから最もドラマティックな緊張と悲劇的感動を生み出した演奏として今なお最右翼に位置している。
このオペラは、典型的なプリマドンナ・オペラだけあって、蝶々さんの出来不出来によってすべてが決まってしまう。
その点で、テバルディが歌ったこのディスクは素晴らしい。
なんといっても、テバルディの円熟した演唱が聴きものである。
蝶々さんの役を、これほど完全に、表情豊かに歌った例はほかにない。
声も絶頂期のものだけあって輝かしく瑞々しい。
ベルゴンツィも、この役としてはやや知的で硬質だが、よく歌っている。
他のキャストもいい。
さらに付け加えておきたいのは、セラフィンの指揮で、その整然たる造形は実に見事である。
《蝶々夫人》は日本の長崎を舞台にしたオペラだが、そうした東洋的な雰囲気を、セラフィンは万全な表現力でまとめている。
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