2011年02月24日
ドミンゴ&クライバーのヴェルディ:オテロ(1976年スカラ座ライヴ)
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クライバーの自信に満ちた明快な演奏が燦然と輝く《オテロ》を生んだ。
ヴェルディが考えたのはこんな音色ではないか。
このディスクは、デル・モナコの次の世代の名オテロ歌いドミンゴがキャリアの比較的初期にライヴ録音されたもの。
オテロはテノールなら誰でもというのではなく本当に適性をもった人しか歌えない。
戦後はドラマティック・テノールのデル・モナコがひとつの世界を作ったが、次世代のドミンゴはもっとリリックな歌い方で、嫉妬に苦しむ若者を表現することに成功した。
デビュー間もないドミンゴの若々しく艶やかな声とすでに備わった表現の巧さに魅了されるし、心理描写が実にうまい。
ドミンゴは数々のオテロを録音したが、初期のこの録音は光り輝く若々しさで際立っている。
後年のより円熟を深めた歌唱も見事だが、オテロの実年齢に近いころで収録されたこのディスクにおける情熱をストレートにぶつけた役づくりはより説得力が大きい。
のちに彼の心理表現はさらに繊細に、もっと明確になるけれど、情熱を秘めてきらきら光るテノールの響きと、エネルギーとダイナミズムに満ちたクライバーの指揮との相性が素晴らしい。
共演するフレーニのデズデモナの表現力も確かで、これも明るい声と、表現力に富んだ歌唱は特筆すべき出来。
そしてカプッチッリのイアーゴがこの人らしい老練な味を出している。
当時のクライバーの若々しい音楽も作品に似つかわしい。
イタリア・オペラの最高峰を実感させる名演。
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