2011年03月08日

フリッチャイの「魔笛」


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フリッチャイは、ハンガリー出身の指揮者で、実力者となるとともに、モーツァルトの録音も多くなった。

彼のモーツァルトへのこよなき愛は、作り出す音楽の調べの中に、絶えることのない泉のようにあふれ出ている。

フリッチャイの《魔笛》は、彼の他のモーツァルトのオペラと基本的には同じである。

見通しのよい、混濁感の少ない響きを特徴としている。

テンポも決して急がず、足取りも軽く颯爽としていて、決して重すぎることはない。

一音一音慈しむように、大切なものを取り扱うように大事にして、音楽はつくられていく。

内に秘めるあふれるようなモーツァルトへの愛も、演奏に際しては必要以上に情に流されるものではなく、また抑えすぎることもなく、うまくバランスされている。

フリッチャイの選ぶ歌手は、歌唱力に不安がなく、自己流の歌いまわしが少ない人、つまり癖の少ない人である。

音程がしっかりし、歌に柔軟性のある、しなやかな歌いぶりのできる人が選ばれている。

タミーノのヘフリガーは、モーツァルトが考え望んでいたと思われるほど、すばらしい声の持ち主。誠実でまざりけのない、しかも透明で強い声は、高貴な王子に適役である。

夜の女王の娘パミーナは、デビュー間もないシュターダー。タミーノの相手役として、これ以上の声はいないのではないか。汚れを知らない、気高き乙女を想像させる澄んだ声、世界中にシュターダーの名を広め、人気の的となったのもうなずける。

夜の女王はシュトライヒ。難しい曲に懸命に立ち向かう姿勢にほだされる。第1幕のレシタティーヴォとアリア。最初のレシタティーヴォをシュトライヒは、冷静に諭すように歌って、後半との対比で激情と怒りの心情をうまく表出している。

パパゲーノのフィッシャー=ディースカウも、好演である。あのフィッシャー=ディースカウがパパゲーノをやっていたことがあるのかと思うくらい若いときの録音なのだが、上手に鳥刺しを演じ、本能のおもむくままに生きる男を、おかしく面白くこなしている。

すべての役者、オーケストラ、合唱隊もフリッチャイの意図を理解し、フリーメイソン風にも傾きすぎず、かといって娯楽性、メルヘンの世界を無視するでもなく、自前のバランス感覚で、演出の難しい《魔笛》をうまくまとめている。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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