2008年02月05日

フラグスタート&クナのワーグナー:ワルキューレ第1幕


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



《ワルキューレ》第1幕全曲は、クナッパーツブッシュがステレオで遺したスタジオ録音によるワーグナー演奏としてかけがえのないものだ。

不世出のワーグナー指揮者クナッパーツブッシュとウィーン・フィルの黄金バッテリーに、全盛期を過ぎたとはいえ、神のごときとまでうたわれたフラグスタートが加わった記念碑的録音。

表現の雄大なスケール、悠揚迫らぬその足取りには本当に感嘆させられる。

クナッパーツブッシュが比較的速めのテンポと粗いタッチで荒涼とした原風景を描いていく一方で、フラグスタートは、後継者のニルソンには欠けている、優しさ、か弱さ、可憐さといった要素を表すことにより、作品に彩りとニュアンスを添えている。

嵐を暗示する前奏曲からして、これ以上の演奏は望めないのでは、と思わせるほどだが、それに輪をかけてすばらしいのは、第3場の「一族の男たちが」以降における、ジークムントとジークリンデの愛の2重唱である。

《トリスタンとイゾルデ》や《ジークフリート》においても繰り返される、恋に落ちた男と女の熱にでも浮かされたような気分とその哀しさを、これほどみごとに表現した例はあるまい。

この作品を書くためにワーグナーという男は、いったい何人の女と手を取り合って咽び泣いたのだろうか、などと余計な想像まで働かせてしまう。

聴き手をそうした思いに誘うのも、クナッパーツブッシュがワーグナーの音楽の本質を抉り出し、突きつけるからであろう。

しかしワーグナー後期のこの作品のもつロマンティシズムと官能の陶酔にはいささか不足しているように感じられる。

が、ともあれ、クナのファンにとっては聴き逃せないものであることは確かだろう。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 19:02コメント(0)トラックバック(0)ワーグナー | クナッパーツブッシュ 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ