2011年05月10日

モントゥー&ロンドン響のシベリウス:交響曲第2番


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



ピエール・モントゥー(1875-1964)は、最晩年まで録音活動を続けたので、幸いなことにステレオ録音が多い。

フランスの指揮者にシベリウスとは珍しいレパートリーだが、1959年、ロンドン響とのセッションも立派なステレオで残ったのがうれしい。

大家の風格は、第1楽章の冒頭から明らかだ。柔らかな弦合奏による序奏に続き、木管で第1主題が出る。力まず、流麗に旋律を歌い込むなかに、ヒューマンな温かみと聴き手を包み込む優しさが広がる。

この曲が内包する、どこか懐かしさに満ちた滋味あふれる世界に、たっぷりと浸らせてくれる。

そんな美点は、聴きどころの第3、4楽章にも共通して表れる。

スケルツォ楽章の中間部に、木管などで出る牧歌的な旋律の、そっと胸に迫るいじらしさ。アタッカで最終楽章へと続く部分の盛り上げも、自然体のまま、慈しむかのように山を築く展開が何とも好ましい。

続いて出る終楽章の第1主題は、時によってやたら速くて元気が良すぎたり、力み返っている場合がある。そんな演奏を聴かされるたび、私は少なからぬ失望を味わう。

そして思い起こすのが、懐が深いモントゥー爺の、悠揚迫らぬ棒さばきである。

全体的にやや速めのすっきりしたテンポ設定と、明るめの響きは、必要以上に演奏が重くなることを避けており、ラテン的な感性もうかがわせる。

シベリウス作品の演奏でよく言われる、北欧風の男性的な要素には、少々欠けるかもしれない。

また今日的な耳で聴けば、アンサンブルの精度などに難点を見つけることは容易だろう。

だが、そうしたマイナスを加味した上でなお、私はこの老大家晩年の逸品を、愛聴盤として示すことに、何のためらいもない。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 18:34コメント(0)トラックバック(0)シベリウス | モントゥー 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ