2011年03月02日

レヴァインのワーグナー:ニーベルングの指環


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オペラティックな面白さにあふれた、ある意味では大変分かりやすいワーグナー演奏。

つまりフルトヴェングラーの深遠な抒情やベームの凝集的表現の対極にある。

それはワーグナーの音楽の生命をもう一度自由な空間に解放しようとする試みだろう。

《ラインの黄金》の演奏は作品の持つドラマとしての内容と面白さを存分に描き、語り出すことをまず第一に指向している。

純音楽的角度から音の練磨や整理を目指すのでなく、実際に舞台で展開されるドラマをオペラティックに、雄弁に物語ろうとする姿勢だ。

テンポが遅いことも、様々なドラマの芽が次々に掲示されてゆくこの曲を、大変面白く聴かせる結果となっている。

歌手ではイェルザレムのよく考えられた性格表現に感心させられる。

《ワルキューレ》の録音では、特にレヴァインという指揮者の特性がはっきりと示されている。

しなやかで、しかも彼独特の粘りのある音の運びが、ワーグナーのオーケストレーションのテクスチュアを抒情的に、また壮大、勇壮に音を響かせながら、現代的なワーグナーの音像を展開してくれる。

ジェイムズ・モリスはこの役に必要な諸条件を具えた、1、2を争うヴォータン歌いだ。

レヴァインの明快でわかりやすい、しかもオペラティックな興趣にとんだ表現のおかげで、この《ジークフリート》の録音は彼の「リング」全曲の中でも特に成功した演奏になった。

歌手ではゴルトベルクのジークフリートが、旧態依然たるヘルデンテノールの域を出ていないのが残念だが、ツェドニクの名人芸、ヴォータンの人間性と神性の葛藤を歌に滲ませてゆくモリス、そしてベーレンスがとりわけすぐれた歌唱を聴かせる。

《神々のたそがれ》では、レヴァインのオペラティックで感興豊かな語り上手の部分が、壮大な叙事詩の内容と一致した傑出した出来栄えだ。

音の響きそのものが尋常ならぬ美しさに満ち、自ずからドラマを語り出し、滔々と流れていくさまは壮観であり、説得力がある。

配役ではドラマの進展と諸相をあますところなく表現して素晴らしいベーレンスを筆頭に、ステューダー、サルミネン、ヴァイクルが成功している。

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