2011年06月08日
セルのヘンデル:「水上の音楽」「王宮の花火の音楽」「ラルゴ」ほか
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ヘンデルの「大きさ」が「巨大さ」の域にまで達しているのが、このジョージ・セル指揮の《ヘンデル管弦楽曲集》。
とりわけ《王宮の花火の音楽》がすさまじい。
ハーティ版を用いているが、とてつもなくゆったりとした速度、磨き抜かれたレガート、打楽器の突撃するような連打など、まったくいつの時代の曲なのか不明になるほど、ゴージャスなオーケストラ・サウンドの世界を繰り広げている。
こういうパフォーマンスに対する批判的研究から、古楽器の演奏が登場してきたわけで、その理由もよくわかる。
ひとえに当時のセルと、すばらしいロンドン交響楽団との組み合わせでのみ成立した、稀有な名演奏。
いろいろな意味で、失われたものの大きさを知る絶好の盤といえよう。
《水上の音楽》も、セルが楽譜に手を入れているようで、オケの決然とした響き、深いリズムに圧倒される。
最後に収録された例の《ラルゴ》が、また超名演だ。
悲しみですら透明だった時代の、幻のような1ページ。
たいへんな演奏であり、「汚らわしいこの世の中はキライ、美の人工楽園の中で陶然としていたい」という人には最高に薦められる音楽だ。
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