2011年03月05日

カイルベルトの「リング」(1955年ライヴ)


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どこまでもドイツ音楽の伝統に根をおき、ドイツ民族の美学を最良の形で示した重鎮カイルベルトが、バイロイト音楽祭で《ニーベルングの指環》を指揮した伝説の1955年ライヴ録音。

カイルベルト壮年期の熱気と覇気に満ちた筋肉質な音楽作りの力によって、この長大な作品を一気呵成に聴かせてくれる。

カイルベルトの指揮は肌触りはざらざらしているが、《ジークフリート》で主役ふたりが出逢ってからの感動は筆舌につくし難い。

また《神々のたそがれ》では特に「ジークフリートの葬送行進曲」の緊迫感と悲劇的な盛り上がりは凄い。

最後のヴァルハラの炎上まで、坂を昇りつめるように一気に盛り上がるその迫力は他に例をみない。

バイロイト祝祭管弦楽団の技術に粗さも感じられるが、カイルベルトの覇気は、そんな小さな傷も気にならない圧倒的迫力を生み出している。

歌手陣の充実も、正に「バイロイト音楽祭の黄金期の記録」と呼ぶべきもの。

声のエネルギーに満ち満ちていた時代のヴィントガッセンのジークフリート、ホッターのヴォータンは、他の彼らの録音以上の若々しい声の魅力に満ちている。

ヴァルナイのブリュンヒルデも圧巻。この名手の貴重な記録だ。

かつてはベーム盤もバイロイトのライヴ録音ということで大きな話題になったし、高く評価された。

だが、その一方で、音はよくてもこの壮大なドラマを充分に表現しきれていないのは、ライヴ録音のためではないかという疑問もあったのだが、それも、カイルベルトによる1955年のライヴ録音で氷解した。

ベームを過大評価していたのである。

戦後バイロイトの1つの頂点を刻む記録。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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