2011年04月02日
ゲルギエフ&ウィーン・フィルのムソルグスキー:展覧会の絵/禿山の一夜、他
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ライヴ収録された《展覧会の絵》の余白に、スタジオ録音の《禿山の一夜》以下3曲を補充したロシア・アルバム。
ゲルギエフはウィーン・フィルという老獪なオケを実に巧みに操り、各曲の特徴を見事に描き分けている。
テンポは比較的速めだが、曲同士のコントラストがあり、鮮やかでメリハリがある。
スケールの大きな演奏だが、ロシア的重厚長大と言うよりは、現代的で洗練された重厚さと言える。
相手がウィーン・フィルであろうとなかろうと、ゲルギエフの汗の迸るようなリーダーシップの矛先は、容赦なく楽員たちに襲いかかる。
あえて言うなら、この《展覧会の絵》は、良くも悪くも、ゲルギエフ本領発揮の独壇場ということになろう。
ラヴェルの編曲がソフィスティケートしたかと思われた、曲の底流にあるロシア的なアクの強さを、いわば素手でむんずと摑み出して、客席に投げつけてくるようなところがある。
昨年筆者はゲルギエフがマリインスキー劇場管を指揮した《展覧会の絵》の実演を聴いたが、その時の記憶がまざまざと蘇る。
いっそのこと、オケがロシアの超重量級だったら、いっそう徹底して、むしろすっきりしたかも。
とはいえ、ウィーン・フィルのうまさにはここでも改めて舌を巻く。
特に各ソロのアゴーギクを伴った柔軟な表情は、音色の絶妙な変化も含め、実に魅力的だ。
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