2011年04月18日

ツィマーマンのドビュッシー:前奏曲集第1巻・第2巻


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このドビュッシーは、いわゆるフランス的な演奏とはその本質を異にしているが、いかにもツィマーマンらしい十分に吟味された精妙にして精巧な表現が見事な内容になっている。

彼の入念で高度な読譜力は、緻密にコントロールされたテクニックやクリスタルで美しいタッチを得て、その表現の意図をほとんどパーフェクトにレアリゼする結果をもたらしており、それは、これが構成的で頭脳的な演奏であることをも印象づけている。

音楽的なバランス感覚に秀でたツィマーマンらしい、響きの美しさが注目されるが、それは巧みなペダリングを伴って、音色に幅広い濃淡を与えるとともに、まるで水面に墨を落としたような音の広がりを実現させている。

一方、時間と空間に対する個性的な解釈も明らかにされており、全体に余裕のあるペースで弾き進めながらも、緩急の対照が強く浮き彫りにされている。

第1巻で言えば〈西風が見たもの〉と〈沈める寺〉とが好対照。

ニュアンス、というと淡い、何かとらえ難いものに思えてしまうけれど、ツィマーマンがドビュッシーの音楽で追求しているニュアンスは、もっと確固としていて、硬く、はっきりそれと聴きとれる。

同時にツィマーマンは、シャープな切れ味を、故意に捨て去ろうとしている。

ミケランジェリが行った方向とは、まったく違っているわけだ。

曖昧さを拒否する一方、すべてをあからさまにすることをも拒否して、ツィマーマンの《前奏曲集》は、難しい場所に立ち、そこで詩情をつくり出す。

思えば理智的な美学と感覚的な美意識の、両方からはさまれたあやうい場所にいたのは、ツィマーマンだけではなかった。

ドビュッシー自身もまた……。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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