2011年03月19日

カラヤンのラヴェル:ボレロ(ラヴェル管弦楽曲集)


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《ボレロ》だけがベルリン・フィルで、《ラ・ヴァルス》や《スペイン狂詩曲》《クープランの墓》などはパリ管弦楽団との演奏である。

フランスの威信をかけて設立されたパリ管弦楽団は、フランスが誇る大巨匠シャルル・ミュンシュの急逝の後、カラヤンが短期間その任に当たった時代の録音の中でも、ラヴェルの管弦楽曲を集めた1枚は、この両者の組み合わせのユニークな味わいが最も面白く発揮された快演であった。

カラヤンのつくり出す構築的で重厚な造型に対し、パリ管弦楽団はフランス的な軽快さと爽やかな味わいを加えていく。

なかでも《道化師の朝の歌》では、この双方の特性がぶつかり合い、濃厚でありながらも決して胃にもたれないまったく独特の魅力を持つ名演が生まれた。

こうしてみると、カラヤンとパリ管弦楽団の組み合わせによるフランス物は実に良いコンビだったわけで、もっとたくさんの録音が残されなかったのが惜しまれる。

ドイツとフランスの幸福な結婚とも呼ぶべき演奏である。

ラヴェルの全作品をパリ管弦楽団と録音してくれていたらと思わずにはいられない素晴らしい演奏だが、ベルリン・フィルとの《ボレロ》も文句のつけようがない。

ピアニッシモで開始し、終結部でフォルティッシモが炸裂するまでの長いクレッシェンドは見事に計算され、寸分の狂いもなく前進する。

ベルリン・フィルの管楽器の名手たちがつぎつぎに登場してくるこの演奏は聴き手にも緊張感が伝わってくる。

聴き手にある種の陶酔感を与えるオスティナート・リズムと主題の魔力はまさにカラヤンならではの魔力と言えよう。

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classicalmusic at 00:32コメント(2)トラックバック(0)ラヴェル | カラヤン 

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コメント一覧

1. Posted by Yacchan   2011年10月22日 17:18
はじめまして。

かっちりとした構築的な造形を旨とするカラヤン氏は、
「スイスの時計職人」と言われた程精密機械のようなオーケストレーションが特徴のラヴェルの管弦楽曲とは基本的に肌が合うのでしょう。

反面、同じフランスものでもドビュッシーのように「ゆらぎ・間隙」が特徴の作品は、ところどころでその欠点が見えてしまうのも事実です。

カラヤン氏はベルリンフィルとしかドビュッシーを振っていないようですが、これがもしもパリ管とだったら・・?と思ってしまいます。
・・・仕方ない事ですけど(苦笑)。

このCDに収録された「道化師の朝の歌」も優れた演奏ですが、私個人の好みを言えば、もっとテンポが速く軽快なほうが・・・あくまで好みの差ですが。

パリ管とのラヴェルは短期間で集中的に行われたようですが、任期が長ければもっと他の曲も録音していたと思うと残念です。

「マ・メール・ロワ」などは聴いてみたかった。

カラヤン氏もタイプからすると、ジュリーニ氏同様にバレエ全曲版ではなくピアノ連弾の組曲版を選ぶような気がするのですが・・。
2. Posted by 和田   2011年10月22日 17:54
Yacchanさん、コメントありがとうございます。

カラヤンは1969年2月から1971年10月までの短い間、亡きミュンシュの後を受けパリ管弦楽団の芸術監督となり、全部で3枚のレコードを制作しましたが(フランクの交響曲、ワイセンベルクのピアノでチャイコフスキーのピアノ協奏曲、ラヴェルの管弦楽曲集)、このラヴェルは飛び抜けてすばらしく、洒落ていて豪華な響きに酔える1枚です。

そして意外なことに、「スペイン狂詩曲」を除いた3曲は、このパリ管との録音がカラヤンにとって唯一無二の存在なのです。

「ラヴェル管弦楽曲全集」とまではいかなくても、仰るように「マ・メール・ロワ」なども、当然EMIあたりが録音すれば良かったのに…、と思います。

ちなみにこのコンビは実演では何回か取り上げた「幻想交響曲」を1971年に映像作品として完成させていて、カラヤン生誕100年を記念してEMIから「永遠のカラヤン」と題したCD盤にプラスしてDVDでリリースされました。

映像は赤色を基調としたカラフルなものでその映像美は素晴らしいものです。

カラヤンの映像美学の演出が随所にみられ、たとえば第2楽章「舞踏会」では冒頭の2台のハープを弦越しに指揮者カラヤンの姿をボカしてかぶせるなど映像作品ならではのテクニックが興味深く、また演奏もモノラル音声ながら当時のパリ管の巧さも充分に堪能できる映像です。

唯一のパリ管との貴重な映像ドキュメントでもあります。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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