2011年04月03日
バルビローリ&トリノRAIのマーラー:交響曲第9番
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この演奏は「9番」に限らず、個人的にはもっとも愛着のあるマーラーのCDのひとつである。
もちろん、客観的に考えればこの盤とベルリン盤を同じ土俵の上で語るのは、先方に失礼ですらある。
録音からプレスに至る「レコード芸術品」としての価値はこの海賊盤CDには存在しないからだ。
しかし筆者としては、正規盤であろうが海賊盤であろうが良いものは良いというスタンスなので、海賊盤でも良さそうなディスクを見つけたら躊躇せずに買う。
ベルリン・フィルのスタジオ録音と、もっとも大きく違うところは、ここには光と影が存在することだろう。
ベルリン・フィルは重厚で陰鬱なドイツの音がするのに対し、ここにはイタリアの涙と笑いがある。
映画『ベニスに死す』ではないが、マーラーとイタリアの色彩は微妙にマッチするのだ。
バルビローリの体内にも半分はイタリアの血が流れているわけで、共鳴の度合いが尋常ではなく、第4楽章冒頭のサー・ジョンの唸り声は作品と同化しきって感動的である。
魂の里帰りとでも呼びたいような凄まじい演奏だ。
録音も1960年のイタリアというには上出来である。
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