2011年04月09日

ゲルギエフのショスタコーヴィチ:交響曲第5番


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ショスタコーヴィチの15曲の交響曲うち、第2次世界大戦の間に作曲された第7番から第9番までを《戦争交響曲》と呼ぶことがある。

ゲルギエフはその概念を拡大し、ショスタコーヴィチの自由への戦いが始まる第4番から第9番までを《戦争交響曲》と呼び、その録音を完成している。

第5番はなかでも屈指の出来を示すもの。

初演者ムラヴィンスキーをはじめとして名演を残してきた指揮者は数多い。

ゲルギエフはショスタコーヴィチが独自の交響曲を確立したこの名作に新たな生命を与えているが、小奇麗に纏め上げることはしない。

作品をいったん完全に咀嚼し、その後、自らの個性と一体になった形で新たな有機体を創造する。

そこでは彼自身のソヴィエト時代の経験も大きく生かされていることだろう。

それにしてもなんという真実の音楽であろうか。

曲が盛り上がれば血がしたたり、リズムはめくるめくばかりの雄弁さでものをいい、心の大波が押し寄せる。

ゲルギエフの表現にウソは一つもなく、まさに作品の本質を衝いた名演といえよう。

現代の音楽界でただ一人カリスマ的魅力を放つゲルギエフ。破格の求心力で作品を生きたドラマとして再現する。

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classicalmusic at 16:20コメント(4)ショスタコーヴィチ | ゲルギエフ 

コメント一覧

1. Posted by マイスターフォーク   2011年04月14日 23:40
2 こんばんは。

はじめてコメントいたしました。


私感ですがゲルギエフ氏はよく言われるイメージは私は感じられません。
とても音符の処理が丁寧で繋ぎと流れを大切にしますし、ゴツゴツしたフレ―ズはなく例えばチャイコの1812大序曲などでもよく例えるロシア的激情や音量などは全くなく丁寧な作りでアッサリしてますね。。
至極正面な音楽を作ります。

2. Posted by 和田   2011年04月15日 15:54
マイスターフォークさん、コメントありがとうございます。

汗びっしょりになってタクトをを振るその姿から「燃焼型」の典型のようなイメージを持たれるゲルギエフですが、オペラハウスで鍛えられたドラマティックな面と明晰な楽曲分析による細かいアーティキュレーションをオーケストラに徹底させるクールな面を併せ持つマルチな指揮者だと、私は認識しております。

指揮台の上でのエネルギッシュなパフォーマンス、10年間で約30枚ものアルバムを発表した超人的なバイタリティ。

ゲルギエフは今もっとも面白い指揮者のひとりです。
3. Posted by 小島晶二   2020年12月01日 09:22
4 ゲルギエフは大変な力量の持ち主,しかも体力にも優れており現在最高のマエストロのひとりであることは衆目の一致するところでしょう。しかし以前のコメントに示された様に,ロシア音楽として物足りなさを感じるファンも多いようです。それは彼の音楽がテンポ良く洗練された西欧的な演奏で,ロシア人特有の寒々とした厳格さやセンチメンタルな泣きに乏しいからだと思います。それはチャイコフスキーやショスタコーヴィッチの楽曲で強く感じます。それが好きか嫌いかはまた別の問題ですが,このショスタコーヴィッチ5番の演奏はテンポが自然で非常に良く整理された秀演だと思います。録音も良好で問題なし。ロシア色を好む方は録音は落ちますが以前紹介されたムラヴィンスキー盤を聞くべきでしょうね。
4. Posted by 和田   2020年12月01日 10:33
確かに歳月とともに遠い存在となりつつあるロシアの巨匠ムラヴィンスキーですが、わずか半世紀前に残されたチャイコフスキーやショスタコーヴィチを聴いてみても、現代の演奏にはない怖ろしくなるような気迫と存在感に圧倒されてしまいます。まさにロシアの慟哭を聴かせる演奏とでもいえばよいのか。ムラヴィンスキーが再現するチャイコフスキーやショスタコーヴィチの世界は、文字通りロシアの風土、ロシアの自然、ロシアの民族、ロシアの歴史を背負って立つ音の営みであり、そこにある岩盤のような音楽の強さと優しさに心奪われます。
とはいえゲルギエフも素晴らしく、作品をいったん完全に咀嚼し、その後、自らの個性と一体になった形で新たな有機体を創造しています。そこでは彼自身のソヴィエト時代の経験も大いに生かされていることでしょう。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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