2011年07月28日

ケーゲルの「パルジファル」


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ケーゲルは近頃いろいろなライヴが発掘された。日本での最晩年の演奏とか、ショスタコーヴィチとか、魅力的なものが陽の目を見た。

けれども、今なお、「パルジファル」はケーゲルの最高の演奏のひとつであり続ける。

ともかく、オーケストラの響きが明晰をきわめ、かつ美しい。ほのかに青がかかったガラスのような響きだ。まったく曖昧なところがない。バス声部はもったいぶらず、いきいきと動き、響きはたっぷりしたままに軽快ですらある。

だから、全体が精悍で引き締まった印象になる。CD3枚になっているが、とても快適なテンポである。鈍くならない。押しつけがましい和音で威圧したりしない。アンフォルタスの苦しみを表す場面など、しばしば引きずるような演奏になりがちだが、全然そうではない。ひとことで言えば、自分の視力がよくなった気がする。

1970年代の脂がのった名歌手の競演もすごい。若々しい美声で全体を歌い通すコルトのグルネマンツ。コロの凛としたパルジファル。このふたりの力によって、「パルジファル」がまるでベルカント・オペラのように快楽的なものになる。

第1幕など、事実上、グルネマンツのための音楽だが、惚れ惚れと聴ける。おいしい水のように楽々と体の中に入ってくる。

それに合唱もすばらしく鍛錬されていて、黄金のハーモニーを聞かせるのだ。

極端な話、ストーリー、思想を知らずともよい。ただただ音楽の見事さに身を浸すだけで満足感を得られる演奏だ。オーケストラ、ソロ歌手、合唱、ここまでの水準で揃った録音は他にない。音質もいい。

つまり、ケーゲルの「パルジファル」は、重々しさに欠けていないのに躍動感があり、感覚的に磨かれているのに皮相ではなく、明晰でありながら味気なくならず、・・・そういう妙なるバランスを持っている。

驚いたことにライヴ録音だが、おそらくこの演奏会のためにたいへんな準備がなされたことであろう。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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