2011年04月15日

クレンペラー&ウィーン・フィルのシューベルト:「未完成交響曲」


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クレンペラーは、1968年ウィーンのフェストホーフェンで、人生を総括するかのような5回のコンサートを行った。

プログラムは、どれもクレンペラーにとって意味深い作品で、一連のコンサートの最終日となった6月16日に、この《未完成》は演奏されている。

オーケストラに重くのしかかるかのように開始される、低弦による序奏。それは作品の悲歌的気分を高めるように作用する。

指揮者の求心力に、オーケストラの集中力が対峙して、ゆっくり雄大にスケール感を増しながら、流れのあるドラマを導いていく。

形式という建築的な造形などまったく気にせずに、深い陰影の内に、破局への予感を響かせながら破局へと向かうのだ。何という美しさだろう。

その第2楽章は、夢そのもので、そのまま死の入り口へと通じている。

マーラーの「交響曲第9番」やベルクの「ヴァイオリン協奏曲」といった「死」そのものをテーマに扱ったウィーン音楽の系譜の中に、この作品を位置付けた師マーラーのやり方を踏襲して、クレンペラーは演奏しているようにも聴こえてくる。

夢はシューベルトが描いた「最後の審判」の物語である。

クレンペラーのはにかんだような「ショーン(美しい)」という言葉が最後に聞こえるが、今眼前に起きていることすべてを肯定しているかのようだ。

この一言が魔法を解いたかのように、演奏の終わりをも告げる「死」の音楽をやり終えて、後半何を演奏したのだろう。

クレンペラーは最晩年、その芸術の高みに到達した。これ以上の大器晩成の例を、筆者は知らない。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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