2011年04月30日
デ・ヴィートのブラームス:ヴァイオリン・ソナタ集
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ブラームス弾きといえるヴァイオリニストがいるとするならば、デ・ヴィートこそは、その最高峰に位置づけられるべき人物であろうと筆者は考えている。
このちょっとセピア色がかった写真のようなブラームスを聴くと、懐かしい気持ちにさせられる。
まず、ヴァイオリンの音色が、じつに良いのである。太くて温かいこの音色は何物にも替えがたい。
ちょっと聴いただけで「あ、デ・ヴィートだ」とわかる音だ(一時代前の名ヴァイオリニストはみな固有の音を持っていた)。
適度に内面的でしっとりとした表現の中に優雅な雰囲気やひたむきな情熱を滲ませた彼女の芸風は、ブラームスの音楽の特質と稀にみる一致を示すものとして注目される。
そして、そうした彼女が深い共感をもって歌いあげたこの演奏は、作品の性格や様式感が最も適切に描出された名演であり、そこでは、ブラームスの内面が深く追体験された表現を堪能することができる。
第1番と第3番でフィッシャーの共演を得たことも嬉しい。
デ・ヴィートのヴァイオリンの美しい音色と豊かな響きを生かした優美な演奏は、フィッシャーの闊達な演奏と結びついて、ブラームスの音楽からのびのびとした情感を引き出している。
テンポの設定もおおらかで、ほかの多くの演奏がこせこせしたものにさえ感じられる。
ことに第3番は、中でも絶品といえる出来を示している。
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