2015年09月11日
バーンスタインのプッチーニ:歌劇「ボエーム」
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バーンスタインの最初で最後となったプッチーニのオペラ。
この録音が行われた当時(1987年)、バーンスタインはローマ聖チェチーリア音楽院の名誉院長の地位にあったが、同音楽院管弦楽団との録音はこれが初めてだった。
バーンスタインとプッチーニ、一見意外な組み合わせだが、《ボエーム》はバーンスタインが幼い時からこよなく愛したオペラだったという。
それだけに、ここではただならぬ思い入れゆえの灼熱の指揮ぶりが聴ける。
ドラマや音楽が高揚する部分での異常なスロー・テンポはどうだろう。
まるで音楽の陰に隠された秘密をのぞき込もうとするかのようだ。
オペラというよりも、声と管弦楽によるシンフォニーといった面白さがある。
語感ではなく音色によるバーンスタイン盤の不思議な魅力にも注目したい。
バーンスタインが狙った効果は青春群像の舞台上での再現であろう。
歌手はそれなりに好演しているが、個人的には青春群像を描くにはバーンスタインは歳をとりすぎたという印象がする。
《ウェストサイドストーリー》がヒットした頃の破天荒というか無鉄砲というか、快速に飛ばしまくる元気なバーンスタインの方が曲には合っているような気がする。
最後のシーンでロドルフォが嗚咽せず、静かに終わっていくのが、泣き叫ぶよりもむしろ深い悲しみを誘う感じがするのが印象的である。
異色のプッチーニとして注目したい。
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