2013年07月26日

クナの「パルジファル」(1964年ライヴ)


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クナッパーツブッシュは、1951年、戦後再開されたバイロイト音楽祭で《パルジファル》の指揮を任されて以来、トラブルによって中断した1953年を除き、死の前年の1964年(この録音)まで毎年この曲を振りつづけた(1953年にもナポリで指揮している)。

《パルジファル》の呼吸の深い、悠久のフレーズを持った音楽は《ニーベルングの指環》以上にクナにぴったりだ。

そういえば、彼はすでに若き日、大学の卒業論文に『クンドリーの本質』について書いている。

そのころから《パルジファル》に傾倒していたのだ。

聴きどころは、何といっても最晩年のクナの紡ぎ出す、摩訶不思議な音の世界。

「渋い」としか表現のしようのない音色と響きは、音響的には遥かに恵まれた条件の下で収録された1950年代末のスタジオ録音においては、音の巨大なうねりや地響き、凄絶なカタストローフの背後に隠れてしまうのに対して、ダイナミック・レンジの狭さやオーケストラ・ピットの独特な構造に起因する倍音成分の遅れなど、演奏家にとっては不利な条件の多い、バイロイトでのライヴ録音においては、逆に際立つ結果となっている。

《パルジファル》の録音と言えば、まずクナの1962年盤が挙げられるべきだし、個人的にはこの盤さえあれば、他のクナの録音は要らないとさえ思っていた。

しかしこの1964年盤も、音楽の厚みが凄く、オーケストラとともにワーグナーの美しさを全開させており、他の指揮者はまったく太刀打ちできない。

歌手陣も総じて素晴らしいが、中でもグルネマンツを歌うホッターが出色で、懐が深く、暖かな温もりで聴き手を包み込む。

筆者はホッターのグルネマンツを聴くたびに、この舞台神聖祝典劇は「パルジファル」ではなく、「グルネマンツ」というタイトルの方が相応しいと思えてならない。

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classicalmusic at 21:57コメント(0)トラックバック(0)ワーグナー | クナッパーツブッシュ 

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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