2015年04月11日

クナッパーツブッシュのR.シュトラウス:楽劇「ばらの騎士」(1955年ライヴ)


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大戦末期に空爆で焼失したウィーン国立歌劇場の再開を祝って上演された演目のひとつで、1955年ウィーン国立歌劇場の再開記念公演のライヴ録音である。

元帥夫人に伝説的なライニング、オクタヴィアンに当時新進気鋭だったユリナッチ、ゾフィーにギューデン、オックス男爵にベーメと、主役どころをウィーン出身の歌手で固めた配役も強力であり、ウィーン伝統の勝利と評された。

ライヴということもあり、歌手もオケも実に生き生きとしており、女性3人の主役は父クライバー盤と同じで当時のベスト・メンバー。

特筆すべきは男爵のクルト・ベーメで、クリップス指揮の「ドン・ジョヴァンニ」で騎士長を演っているのしか手元になかったが、ブッフォに堕する寸前ぎりぎりの豊かな演技と歌唱で、筆者が聴いた中ではベストの男爵である。

とはいえ、筆者は根っからのオペラ好きではないせいかもしれないが、個人的にはオペラの場合でもオーケストラの比重は大きく考えている。

歌手がいかに豪華であっても、オーケストラが添え物的では満足できない(むろん、逆にオケが良くて歌手がB級でも困るが)。

その点、この録音はオーケストラがびっくりするほどきれいで、すっかりリラックスしたウィーン・フィルも甘美な懐かしい調べを奏でる。

ウィーン国立歌劇場管弦楽団は、細かいことを別にすれば、ほぼウィーン・フィルと同一のオーケストラであるといってよい。

だからウィーン国立歌劇場でのオペラ公演のライヴ録音は、表記はウィーン国立歌劇場管弦楽団でも、ウィーン・フィルのオペラ演奏であるといってさしつかえない。

だが、何といっても最大の聴きものは、大きなスケールと深い呼吸をもったクナッパーツブッシュの指揮である。

彼らしい悠揚迫らぬ演奏であり、銀の薔薇の献呈の場面などでは無類の陶酔を聴かせるが、彼独特の個性は影を潜めていて普遍的な美しさに到達している。

クナッパーツブッシュの作り出す音楽がちゃんと呼吸しているので、歌手をあおるようなことにはならない。

終幕の三重唱のうねるような盛りあがりなど、さすがというほかはない。

クナッパーツブッシュの歴史的名演奏のドキュメントのひとつとして長く残されるべきものだろう。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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