2011年07月14日
カラヤン&スカラ座のプッチーニ:歌劇《ボエーム》全曲 [DVD]
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
カラヤンの《ボエーム》には、オーケストラにベルリン・フィルを配し、フレーニとパヴァロッティの黄金コンビを軸にしたセンチメンタルなドラマを何処までも精緻に、そして劇的に描き切った信じられないような名演の1972年盤がある。
しかし、ここでは敢えてスカラ座とのDVDを選びたい。
カラヤン57歳のときのゼッフィレッリの演出によるスカラ座での公演を素材にしたオペラ映画が今なお色褪せない魅力を持っている。
ここで見られるのは、今日でもしばしば上演されるゼッフィレッリの名演出の原形となったもので、ポネルの《蝶々夫人》のような違和感は全くない。
それだけに、〈見る〉というオペラ本来の楽しみを心ゆくまで味わうことができる。
演奏は、カラヤンがスカラ座のオーケストラから明るくみずみずしいだけではなく、重厚かつ豊麗な響きを引き出し、このオペラの、交響曲にも譬えられる構成の妙とシンフォニックな魅力を、十分すぎるほど表現しているのが印象に残る。
歌手も、まだ若くデビュー間もないフレーニの歌も容姿も愛らしいミミは、定評ある歌のうまさに加えて、第1幕でロドルフォの前に初めて姿を現すところから初々しい朴訥さとコケットリーとを交錯させた身振り表情で見る者を悩殺する。
若くして亡くなったジャンニ・ライモンディも凛々しく充実した歌を聴かせ、あとのボヘミアンたちにも不満はなく、脇もすべて完璧に揃った《ボエーム》が見られる。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。