2011年09月26日
プレヴィン&ウィーン・フィルのメンデルスゾーン:劇音楽「真夏の夜の夢」
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《真夏の夜の夢〉は語り入りのアバドやアーノンクール、ピリオド楽器によるブリュッヘンなど、すぐれた演奏は多いが、プレヴィン盤はこの幻想的な劇音楽の魅力を明快に表現している。
プレヴィンのうまさは、どのオーケストラを指揮してもそれぞれの持ち味を生かしながら作品の本質を見事に表現できることにあり、このウィーン・フィルとの《真夏の夜の夢》もプレヴィンのそうした特徴がよくうかがえる演奏のひとつである。
プレヴィンは、艶やかなオーケストラの響きを存分に生かしながら、舞台の動きを彷彿とさせる、描写のうまい演奏を行っている。
プレヴィンは1976年にもロンドン交響楽団と《真夏の夜の夢》序曲と劇音楽全12曲を録音(EMI)しており、それもとてもすぐれた演奏だったが、このウィーン・フィルとの録音では、第4、6、8曲の3曲が省略されているとはいえ、プレヴィンはメンデルスゾーン特有の爽やかなロマンティシズムを瑞々しい響きで鮮明に表現している。
この2度目の録音では、とくにウィーン・フィルの陰影豊かな柔らかな響きの美しさが際立っていて、冒頭の序曲からプレヴィンの安定したテンポと軽快なリズム感は見事で、弦楽器のこまやかな動きと木管の調和した響きにより、聴き手を幻想的な世界に誘う。
軽やかな明るさにあふれたプレヴィン&ウィーン・フィルは、序曲の第1主題、ささやくような弦にまとわりつくピチカートの動きのいたずらっぽい無邪気さに、まず惹きつけられる。
そして細部まで透けた小さな振幅で、よく音の摘まれた妖精的な小世界を導き出している。
落ちついたテンポで妖精を描く〈スケルツォ〉、牧歌的なホルンの響きではじまる〈夜想曲〉の夢幻的な美しさと華麗な〈結婚行進曲〉、また〈間奏曲〉やコミカルな〈道化師たちの踊り〉などのさまざまな情景と雰囲気を描写も実に巧みであり、若い歌手を起用した独唱も成功している。
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