2007年12月26日

カラヤンのR.シュトラウス:英雄の生涯(1985年盤)


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カラヤンの得意とするR.シュトラウスの交響詩のなかでも、特に彼の肌にあった作品の一つだけあって、彼の老熟した精神的な充実ぶりがよく表れた、期待どおりの名演。

いくぶんテンポを遅めにとり、しっかりとした構えの雄大な音楽をつくりあげており、その楽譜の読みの深さと雄弁な語り口、抜群の演出力は卓抜だ。

カラヤン盤は、そのどれもが自らの生涯と作品とを重ねあわせようとしている。

特に最後の録音である1985年盤に、その傾向は強く、カラヤン自身が、自らの人生を語っているかのような演奏だ。

そのようなナルシシズム的要素でいうなら、カラヤン盤は大きくクローズアップされるだろう。

解釈としては前回と大差はないが、全体にテンポをいくぶん遅めにとり、構えのしっかりとしたスケールの雄大な音楽を作りあげている。

1974年盤に比べるとより表現は巧緻になり、枝葉末節に至るまで艶やかに歌いこんでいる。

と同時に、いくぶん手綱をゆるめることによって重厚さが増し、まことに豪放磊落な演奏へと変貌を遂げているのである。

カラヤン最晩年のいささか主情的傾向が曲の隅々まで濃い陰影と奥行きをもたらし、結果としてよりスケールの大きい演奏表現を生んでいる。

それに伴い、オケは総力戦の感があり、高いテンションを全体に漲らせた空前絶後ともいうべき熱演をものにしているのである。

ことに光っていたのは、コンサートマスターのシュピーラーのソロが入る「英雄の伴侶」の部分で、ここぞとばかりにたっぷりと歌わせ、ケレンのない表現で肉薄しているのは聴きどころ。これほど素晴らしい独奏も珍しい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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