2011年05月25日

ベームの「さまよえるオランダ人」(1971年バイロイト・ライヴ)


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バイロイトでは《オランダ人》は若い指揮者に任されることが多く、巨匠の域に達していたベームが指揮したのは異例のこと。

これは同時にベームが最後にバイロイトに出演した時の記録となった。

ここで彼は、ワーグナーのこの出世作にふさわしい、硬質かつ直線的な音楽づくりによって、1幕仕立ての上演を息もつかせぬばかりの緊張感で貫いている。

ベームの筋肉質で無駄のない進行は、この作品のスタイルによく合っている。

厳しさにかけては天下一品のベームに鍛えぬかれた、当時のバイロイトのオーケストラの水準も驚くばかり。

まるでオーケストラ全体が唸りをあげるように高揚していくところなど、他のオペラのオーケストラにはないものだ。

そこでは世界から腕利きのワグネリアンが集まったこのオーケストラの強みが最大限に発揮されている。

ステュアート、ジョーンズと主役2人が米英出身なのはいかにもこの時代のバイロイトらしいし、他にもリッダーブッシュらの歌手陣の水準も高い。

名合唱指揮者ピッツの薫陶を受けた驚くべき威力の合唱も、ここでは主役のひとりとして大きな役割を果たしている。

「水夫の合唱」の部分など、鮮烈きわまりない表現で、恐るべき生命力である。

質実剛健でしかも含蓄に富んだこの演奏は、《オランダ人》の解釈の一つの理想と言えるのではなかろうか。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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