2011年05月26日

ベームの「エレクトラ」


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ベームが死の直前まで完成に心砕いた映像作品。

生涯最後の録音となったベームの指揮が、最晩年の彼には珍しく気力充実した力演。

収録の完成を目前にしてベームは世を去った。

巨匠がウィーン・フィルに託した音楽の遺言となり、未完の部分については、ウィーン・フィルが指揮者なしで収録したといわれる。

ベームは1960年代はじめにザクセン州立歌劇場のアンサンブルとレコード録音を行なっており、そちらもシュトラウスのスペシャリストにふさわしい秀演だったが、《エレクトラ》という作品がもつ世紀末的な色合いを表現するにはウィーン・フィルがやはり最適だ。

全体を貫く緊張感は、当時ベームが80歳代後半だったことを考えるとにわかに信じられない。

当時、ベームがウィーン・フィルの精神的な支柱であり、楽員たちの敬愛を一身に集めていたからこそ実現した演奏だろう。

タイトルロールのレオニー・リザネクは、ベームがグルベローヴァとともに「わが娘」と呼んでかわいがった歌手のひとり。

迫真の歌と演技によって復讐の鬼と化した主人公を熱演する。

それと好対照をなすのがフィッシャー=ディースカウの醒めたオレストである。

ヴァルナイのクリテムネストラ、リゲンツァのクリソテミス、バイラーのエギストらの脇役も演技を含めた存在感の強烈さは十分だ。

ゲッツ・フリードリヒによる重厚な映像は、舞台から離れたオペラ映画として構想したもの。

フリードリヒの演出は、回想シーンの挿入などスタジオ収録の利点をフルに生かしたもので、雨が降りしきるなかで展開される凄惨な復讐劇は見応えがある。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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