2011年06月02日

カラスの「トゥーランドット」


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これは大指揮者セラフィンでもなく、ほかの歌手の誰でもなく、ただひたすらカラスを聴くためのCDだ。

このドラマティックな作品を、ドラマティックな歌声を持つ20世紀最高のプリマドンナ、マリア・カラスが演ずれば、どんなにすばらしいことか。

ところが、実際の舞台でカラスがこの作品に出演したのは、1948年と49年の2年間のみであった。

しかし、1957年に録音されたこのCDで、その舞台のすばらしさを想像することはできる。

その歌唱は言葉への集中度が異常に高く、声の力だけで聴かせるトゥーランドットにはない感情の豊かさ(たとえそれが病的であっても)に感嘆させられる。

《トゥーランドット》という一種異様で、狂気にも似たこのオペラは、実はカラスがもつ声のために書かれた作品ではなかったかと思わせる強烈な説得力と吸引力があり、演奏はまさに壮絶そのもの。

氷の歌姫の魔性と人間愛とをこれほどのコントラストで味わわせてくれる演奏は他になく、オペラは彼女を軸に回転し、燃焼していくのである。

また、カラスのみではなく、若き日のシュヴァルツコップが演じているリューも良い。

純粋な愛のなかで死んでいくはかない命には誰もが心打たれるものがあるが、それをシュヴァルツコップは、みごとに歌いあげている。

しかし、このリューをカラスが演じていたらもっと感動するだろうと考えるのは、欲が深すぎるというところか。

トゥーランドット姫の非人間性を冷たく描出したカラス、カラフへのいちずな恋心を実に美しく、やさしく表現したシュヴァルツコップのリュー。

そして、色彩的な響きをオーケストラから引き出し、東洋的な情緒をもりあげたセラフィンの指揮。

稀有な名演である。

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classicalmusic at 18:48コメント(0)トラックバック(1)プッチーニ | カラス 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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