2011年05月27日

カラス&レッシーニョの「椿姫」


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



20世紀最高のヴィオレッタ、カラスが残した8種類の全曲録音中、1958年にリスボンで歌ったライヴ録音と並んでカラス自身の出来がとくに素晴らしかったもの。

カラス演じる《椿姫》の双璧は、1955年のスカラ座ライヴと1958年のコヴェントガーデン王立歌劇場ライヴである。

両ヴィオレッタとも優劣つけ難く感動的だが、音質の点では遥かにこの録音が上である。

コヴェントガーデン王立歌劇場のライヴだけに、技術的なミスは数多く聴かれる。

歌唱の"傷"ももちろんあるが、不世出の大歌手カラスのヴィオレッタの、文字通りの絶唱をここに聴くことができる点で、この1組は大きな魅力を持っている。

カラスが歌い出すヴィオレッタの様々な感情と、デリケートな陰影の美しさこそ、まさに驚嘆に値するものだ。

第1幕冒頭の侵し難い気品、第2幕の幸せから絶望への推移、第3幕での空虚と孤独感、ヒロインのドラマを声の音色と表情だけで鮮やかに歌いつくしている。

カラスの声は陰翳に満ち、艶と表情の振幅に富んでいる。

〈そはかの人か〉の格調の高さ、かてて加えて〈さようなら過ぎ去った日よ〉の空前絶後ともいえる彫琢の深さには、今なお魂が吸いよせられる思いである。

作曲者の意図した心理の綾の生かし方も絶妙で、幕切れの素晴らしさにも心を揺さぶられる。

加えてザナージの演ずるジェルモンの格式とカンタービレの美しさも深い感動を与えてくれる。

ザナージのジェルモンの引き締まった歌唱からは風格が滲み出ており、溢れるばかりのカンタービレと知的な抑制とを両立させた見事な表現である。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 00:00コメント(0)トラックバック(0)ヴェルディ | カラス 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ