2011年06月09日

ティルソン・トーマスの:マーラー:交響曲第3番/リュッケルトによる5つの詩


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T.トーマス初のマーラー。

極めて精確で透明度の高い演奏だが、決してクールでなく、オケの活力を引き出しながら、マーラーの青春と独特の倦怠感、さわやかな抒情を自然に描いている。

驚くほど磨きのかかった演奏で、あらゆる夾雑物が取り除かれ、純度の高い仕上がりになっている。

レスポンスのよいロンドン響の機能を生かしながら、繊細な音楽作りが行われており、同時に壮大なスケール感も獲得している。

繊細をきわめながら豊麗な活力に満ち、透明でありながらこまやかな彩りをおび、ダイナミズムのバランスは絶妙で、どこをとっても瑕瑾はない。

その分マーラーの毒も洗い流されてしまい、こくを失っている観なきにしもあらずだが、それを補ってあまりある精妙なひびきが聴きものだ。

そのひびきは新鮮な春の息吹として澄み渡った空いっぱいに広がり、妖精の空に遊ぶようだ。

マーラーは地上に縛りつけられながらも、そんな清らかな世界に切ないほど憧れていた。

T.トーマスは痛いほどの共感をもって、マーラーのこのユートピアを実現している。

第3番の長大な第1楽章は精緻そのもので、この辺にトーマスの個性が示されたといえよう。

独唱のベイカーの情緒豊かな美声、少年合唱のの整頓された表情も素晴らしく、声楽入りの2つの楽章は作曲者の表現意図を見事に表している。

この指揮者の稀有な才能がもっとも積極的に作品と同化する方向で発揮された演奏。

他の交響曲もチャレンジしてほしいのだが。

《リュッケルト》も大きく息づくみずみずしい名演。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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