2011年07月24日
カラヤンのR.シュトラウス:ドン・キホーテ(最新盤)
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R.シュトラウスの作品にかけて、カラヤンは最も理想的な指揮者であろう。
審美主義者としてのカラヤンと、シュトラウスのもつ音楽的体質が見事に一致しているからである。
《ドン・キホーテ》もカラヤンの十八番だけに、至上のシュトラウス・トーンを響かせている。
《ドン・キホーテ》の珍妙な行動絵巻は、上手な演奏で聴くと抱腹絶倒の面白さである。
このディスクはカラヤン3度目の録音だが、録音するたびごとに綿密さが加わって、ここでもまさに一分の隙もなく、完璧な仕上がりの演奏である。
カラヤンはこうした標題音楽的な作品を指揮させると抜群のうまさを発揮する。
ことに、各場面の描写のうまさと、卓抜な演出力にはほとほと舌を巻く。
カラヤンはあたかも名人の話芸を聴くかのような、実に語り上手な音楽の作り方で、騎士物語を読みすぎたあまり、頭がおかしくなり、村を出て数々の珍妙な行動を取り返すこのドン・キホーテの物語をユーモアをこめて鮮やかに活写した巧緻な演奏だ。
カラヤンは変化にとんだ各変奏を巧みに描き分けながら全編を精妙にまとめている。
また、若手のメネセスのチェロも、カラヤンのおめがねにかなっただけあって、見事なソロを行っている。
ヴィオラのクリストも、よく息の合った演奏で、カラヤンの信頼に応えている。
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