2012年01月05日
ミュンシュ&ボストン響のベルリオーズ:幻想交響曲(1962年盤)
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ミュンシュ=ボストン響による2度目にして、決定的名演となった《幻想》。
ミュンシュのボストン響音楽監督としての最後の録音の一つで、1949年以来10年以上にわたる緊密なパートナーシップがまさに融通無碍の名演に結実。
今のボストン響からは失われて久しいフランス風の華麗な響きを保ちつつ、壮絶に高揚していくドラマは、他では聴くことができない。
豊かな色彩感を確保しながら、情熱的な力強さを臆することなくぶつけて、グイグイと進める音楽の運びが自然で自在なミュンシュが、やはりベストだろう。
ミュンシュにとって《幻想》は肉体の一部になっているかのようだ。
数種ある演奏のそれぞれが名演の名に恥じないものだが、2度目のボストン盤が、その完成度の高さで抜きん出ており、この曲の主情的演奏として理想的なバランスを持っている。
ボストン響との録音は、ミュンシュが最も精力的に活動していた頃の、若々しい活力を伝えている。
造形が端正で、後年の演奏より客観的であるが、それだけに音楽的には純粋で骨格が逞しい。
ボストン響も輝かしく充実感が強い。
情熱が噴き上がるような快演で、ミュンシュの率直な音楽性と豪快な交響性が、ベルリオーズのもつ強靭な生命力を的確に表現している。
まさにこの作品の本領を伝える名演というにふさわしいこの演奏にあっては、オケのメンバーたちの一丸となって演奏に没入している姿勢もが目覚ましく、それは、とめどもなく情熱的でホットな時間の推移をつくり出し、圧倒的な説得力をも生み出すこととなっている。
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