2012年01月04日
ミュンシュ&ボストン響のベルリオーズ:幻想交響曲(1954年盤)
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ミュンシュが最も得意とし、名刺代わりのように世界各地で演奏した「幻想交響曲」の古典的名盤。
ライヴも含めると6種類の演奏がCD化されているが、その中でパリ管弦楽団との1967年盤に匹敵する熱気を孕みながら、アンサンブルの充実度で勝るのがこのボストン響との1954年盤で、ミュンシュ=ボストン響の組み合わせによる最初期のステレオ録音の一つである。
この演奏にはミュンシュの最も素晴らしい面があふれている。
音楽がいまそこで産声をあげ、まあたらしい生命そのものの力で動いているという感動に襲われる。
棒はかなり緩急自在だが、オーケストラはまるでもともと自分たちがそうしたかったところを、そう振ってくれたといわんばかりの、自然な動きぶりである。
そのような動きの中に美しい情熱が輝いている。
たとえばモントゥーの「幻想」は、標題交響曲はかくあるべしといった演奏だが、ミュンシュの演奏はまったく正反対で、率直そのもの、テンポも速く、各楽器の特性をあくまで明確に出している。
本当に明快で音楽的な演奏でアクは強くないかもしれないが、第一級の演奏というべきであろう。
ボストン交響楽団のうまさも特筆すべきである。
さらに、この演奏には、テンポの緩急の変化がかなり強く出ているのと、情緒的劇的構成をつくるのが各所にみられる。
それがまた表現を豊かにしている。
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