2011年06月22日

ホロヴィッツ&トスカニーニのチャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番(1943年ライヴ)/ホロヴィッツのムソルグスキー:展覧会の絵(1951年ライヴ)


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ホロヴィッツが岳父トスカニーニと共演したチャイコフスキーはこの曲を語るときに決して忘れることの出来ない名盤である。

筆者の考えではこの名作の現在までの最高の演奏であると同時に、ホロヴィッツが残した膨大な量の録音の中でも、その頂点にランクされる名演である。

ホロヴィッツは、驚嘆すべき技巧、鋭いタッチで圧倒するばかりでなく、ホロヴィッツ特有のアクセントの付け方が、ここではすべて曲の内的論理に適っており、聴き手の心に一音一音が突き刺さってくる。

かなり速めなテンポが設定されたこの演奏では、ホロヴィッツがそれを少しも苦にせずに唖然とするような快演を展開しているが、トスカニーニとの極限まで緊迫した対話から生まれる白熱的な緊張感は、この演奏そのものが作品を高濃度のエネルギー体に昇華させているかのような印象さえも抱かせる。

フィナーレなどは、とくに時間が一瞬に凝縮されたと思えるほどの燃焼度を示しており、信じられないような熱気を放っている。

ホロヴィッツの《展覧会の絵》には1947年のスタジオ録音もあり、演奏の完成度ではそちらをとるべきかもしれないが、より彼らしい白熱した演奏はこちらの1951年のカーネギー・ライヴであろう。

ヴィルトゥオーゾ・スタイルを貫きながら、変幻自在のタッチによってそれぞれの絵をまるで手に取るように表現していく。

そこには空疎感は微塵もなく、聴き手は彼の自由に飛翔するファンタジーにただ心を奪われるばかりだ。

最後の〈キエフの大門〉では自ら編曲を加え、より演奏効果が上がるように工夫されている。

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classicalmusic at 00:06コメント(2)ホロヴィッツ  

コメント一覧

1. Posted by 小島晶二   2021年02月14日 09:40
4 実はホロヴィッツは私の嫌いなピアニストです。何故かというとモーツァルトとベートーヴェンは本物のピアノ作曲家ではない。彼らの音楽はインテリ向き過ぎると放言したからです。ブレンデルが指摘した様に到底同意できない失言だと言えるでしょう。従って,私は彼のモーツァルトとベートーヴェンは全く聞く耳を持ちません。しかしロマン派の音楽となると話は別。流石戦後アメリカでルビンシュタインと人気を二分したピアニストだけあって,勿論多くの秀演はあります。嫌いと言っても曲によっては神の啓示が彼の心身に舞い降りたかの様な鮮烈な快演があると言わざるをえないでしょう。私はLP期にショパンの2,3番のソナタを持っていました。またホロヴィッツはスラブ系でテクニックは完璧なので,チャイコフスキーはとてつもないアップテンポの爆演ですね。
2. Posted by 和田   2021年02月14日 10:49
ホロヴィッツがそんな失言をしていたなんて知りませんでした。確かに彼のモーツァルトやベートーヴェンは推薦に値しないものばかりですね。しかし仰せのようにロマン派となると別物で、特にチャイコフスキーとラフマニノフのテクニックの切れ味と感性の閃きは流石です。特にホロヴィッツにとって、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番は、その運命を左右したほどの因縁のあるレパートリーでした。おそらく、それを演奏するたびに彼は過去の歩みを思い起こしていたことでしょう。録音としては43年盤の他、41年のトスカニーニ、48年のワルター、52年のセルとのものもありますが、43年のトスカニーニとの共演は、まさに超絶的な気迫と若々しい無類の技巧を展開したものとして、群を抜いたパワーを見せています。ホロヴィッツは驚嘆すべき技巧、鋭いタッチで圧倒するばかりでなく、彼特有のアクセントの付け方が、ここではすべて曲の内的論理に適っており、聴き手の心に一音一音が突き刺さってきます。古い録音ではあるものの、同曲の筆頭の名演にあげたいと考えます。
余談ですが、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第0番をYouTubeで聴きました。仰るようにあたかもモーツァルトの10番台の作品のようにチャーミングな佳曲で、繰り返し聴いてみたいと思います。今までベートーヴェンの個性は第3番から表れていると考えていましたが、既に第1,2番からもうベートーヴェン的ですね。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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