2007年12月25日
ルービンシュタイン&メータのブラームス:ピアノ協奏曲第1番
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第1番はルービンシュタインの引退直前の最後の録音のひとつで、メータとの共演、英デッカへの録音共にこれが唯一となった。
ルービンシュタイン最晩年の絶品である。
ピアノの分厚い音色、ごつごつとした豪傑風のリズム、常に自信に溢れた落ち着きは、かのバックハウスにも匹敵し、魂の動きを伝えてやまない。
ブラームスの歌と憧れが聴こえ、本当に宝物のような芸術である。
メータの指揮もまことに巨大で、響きは有機的、細部まで揺るがせにしない音作りは絶賛に値する。
まさに、ピアノ、指揮、録音の三拍子がそろった名演である。
人が老いて行く事。それは寂しい事であり、恐ろしい事なのだろうか。
このルービンシュタインの最晩年の録音を聴くと、そんな不安は消え去る。
演奏としての技術的完成度や造型性を問題とすれば、この演奏に対する批判はいくらでもできる。
第1楽章での序奏部とピアノの開始部分のテンポの落差ひとつをとっても、その事は理解できよう。
しかしここで我々は、ルービンシュタインの温かく優しい、豊かな音楽に対する慈しみの息吹きに出会える。
メータの全身全霊を傾注してのバック・アップと共に、この「人類愛」としか呼ぶ事のできない偉大な精神の営みは、形而下的なあらゆる事象を超越して我々の心を至福の彼岸へと誘ってくれる。
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