2011年06月17日

ムーティ&フィラデルフィア管のブラームス:交響曲全集


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第1番の第1楽章アダージョの序奏は意外と速いテンポで始まり、アレグロの主部では急がず、アタックをしっかりときかせて堂々と進む。第2楽章は深い響きのなかに大きな歌が歌われていく。ムーティはこういう音楽で決して感傷的にならず、男らしく歌う。そしてフィナーレのアレグロ第1主題はもちろん男性的だし、展開部の盛り上がりもかなりのもので、再現部への突入をくっきりと印象づける。

「ハイドン変奏曲」もふくよかで抑制のきいた表現だ。

第2番はムーティの個性が強く示された表現で、古いドイツ風のごつごつした演奏とは対極にあるスマートな音楽である。オーケストラのバランスもそうした表現に協力しているのか、響きがふくよかで情感があり、音楽的にも成熟している。

「大学祝典序曲」と「悲劇的序曲」も柔らかく滑らかに歌う演奏だ。部分的にかなりテンポを動かす独特の表現法で、無理なく歌わせている。このように歌に傾斜したブラームスも悪くなく、新鮮な印象を与える。

美しいがとらえどころのない第3番に、ムーティはそのイタリア的な造形感覚で彼独自の形を与えることに成功した。流麗・明晰な新解釈で、第1楽章は輝かしくまた美しく、第2楽章の歌わせ方もよい。感傷的になりがちな第3楽章は男らしく明るく、フィナーレもあくまで明快。後味のよい第3番だ。

第4番ではフィリップスの音質上の好みがヨーロッパ調であるためか、従来フィラデルフィア管弦楽団にありがちな華麗一方の響きではなく、実によく練り抜かれたまろやかな音彩とゆとりあるテンポで、第1楽章ではリズムを若干重く引きずる感もあるが、その悠揚とした流れには音楽をじわじわと高潮させる息の長さがあり、オーケストラのサウンドも次第に光沢と輝きを加えていく。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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