2011年06月19日

シュトゥッツマンのシューマン:歌曲集


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フランスの声楽界からは、第2次世界大戦後、残念ながら多くの人材が登場したとは言い難いようだ。

ドラマティック・ソプラノのクレスパン、バリトンのスゼーとバキエ、ブラン、バスのバスタンといった人物名以外には、これといった名前が浮かんでこない。

近年登場したコントラルトのシュトゥッツマン、そしてコロラトゥーラ・ソプラノのデッセーは、久方ぶりのフランス声楽界の星である。

フランス人で、女声で、しかもコントラルトの歌い手が、単独でシューマン歌曲全集の録音に挑戦するとは!

F=ディースカウでさえ男声用リートに限ったのに、シュトゥッツマンは男声用の《詩人の恋》や〈二人の擲弾兵〉なども怯まずに歌いこなしている。

男声に近い重いコントラルトを武器としているものの、感覚の鋭敏な反応を必要とするシューマンの歌曲では、それが足を引っ張りかねない。

しかしシュトゥッツマンは黒光りする声を逆用し、強い意志力と透徹した解釈力で、とくにシューマンの男性的な向こう気に焦点を当てて歌いついでいる。

まさに男勝り。だがけっして荒っぽくなることなく、つねに繊細な感受性とうるおいのある情感を失わず、情念の深さは胸を打ち感動的だ。

ピアノはいささか問題ありだが、それでもシュトゥッツマンの声の比類のない艶を、ちょっと素っ気ないところがあるピアノが、むしろ支えているという面さえあるのかもしれない。

シュトゥッツマンの声は何しろ深々としたコントラルトで、喜怒哀楽の変化をくっきりと、というわけじゃない。

詩の一語一語というより、詩の世界そのものを深め、ひとつの世界をかたちづくる。

微かに暗く、微かに悲しく、微かに陽気。

シュトゥッツマンが描く"微か"が、詩と音楽の美しい響きを彩る。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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