2011年11月07日

マゼール/コンダクツ・シベリウス


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1990〜92年に録音された本盤は、1970〜2000年代を通して作られたマゼールのディスク中、出色の出来ばえを持つものである。

というか1950〜60年代には数多くの名盤を作りながらその後はなぜか凡打の山を築いているマゼールが、わずかにかつての栄光と無縁ではないことを想起させてくれる演奏内容だ。

ここに聴くシベリウスは、単に表面上の帳尻を合わせて、あとは"落としどころ"を心得た上で、スマートに仕上げるというような演奏(最近のマゼールには、こうした内容が多い)ではなく、意欲的な取り組み方で、その踏み込みは深くて鋭い。

シベリウス特有の音構造をよく体得した演奏で、楽想の渋い、重厚な響きがよく表されている。

格調正しい表現で、オーケストラをたっぷりと鳴らしながら、粘ることがなく、そのなかに豊かな抒情と憧憬感があり、地味ではあるがスケールの大きい演奏である。

ここにマゼールの進境が現れており、造形はマゼールらしくきりりと引き締められているが、音楽的にはまったく気負いがなく自然だ。

ことに印象的なのは第4番で、第1楽章冒頭の暗く冷たく重い響きのなかから幻想的な弦楽部主題が湧き上がり、夜明けの曙光のような金管のコラールが現れるあたりの音楽作りは圧倒的だ。

第2楽章のオーボエの背景にある弦の響きも北欧情緒を彷彿させる。

終楽章の弦楽部の彫琢は実に見事だ。

ピッツバーグ響との緊張した関係もスリリングで好ましい結果を引き出している。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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