2011年06月18日
M.ヤンソンスのショスタコーヴィチ:交響曲全集
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以前、マリス・ヤンソンスがオスロ・フィルを振ってのEMIデビュー録音、ショスタコーヴィチ「第5」を聴いて、それは新時代のロシアの指揮者の登場を鮮やかに印象づける演奏だったので、ぜひともこの人で交響曲全集が欲しい、と思っていたら、それが実現した。
あたかも、ロシアをそのままに響かせたような演奏で、音楽的な推進力も力強く感じさせる説得力に富む力演集となっている。
ヤンソンスは8つものオーケストラの特色を存分に活用して、「今、ショスタコーヴィチはこういう曲だ」と言わんばかりの実に入念な演奏を繰り広げている。
贅肉のないクリアな演奏で、現代的なスマートさを随所に感じさせる。
全曲を通じてテンポがよく、そこには適度の内的緊張感もあり、デュナーミクも力強く、音楽のスケールが大きい。
とはいえ、一昔前の"英雄的"解釈はここには微塵もなく、曲の重くダイナミックな側面よりも、叙情や優しさや哀しみが心に広がるページも多い。
派手な演出を避け、純音楽的な節度と洗練を聴かせるヤンソンスのセンスはなかなかのものだ。
ヤンソンスは豊満な抒情性と緊張感を交錯させ、言うべきことを言い尽くした説得力が生まれている。
鮮烈な効果に富んでいる作品では、スリムに肉付けした上、その中に彼自身の思いを注ぎ込んで聴き手を納得させ、魅了する。
音楽を歌い上げる息の長さが、やはりロシアの指揮者ならではのスケールを感じさせる。
ショスタコーヴィチ先生も、ちょっと苦笑しながらもこういう演奏が好きなんじゃないかと思う。
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