2008年01月16日
ショルティの『ワーグナー名演集』
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ワーグナーのスタンダード曲を集めた名演である。
ショルティのワーグナー演奏については、あの1958年から65年にかけての《ニーベルングの指環》の全曲録音ひとつによっても、他に比肩するもののない業績の豊かさを思わせている。
そこにある完璧ともいえる音楽分析と深い理念に裏づけられたワーグナー観は、彼が常に最も信頼し得るワーグナー指揮者のひとりであったことを疑わせる余地はない。
ここでの曲目は、前奏曲と序曲を中心としたものであるが、ショルティにとっては、それらがコンサート・レパートリーであると同時に、完全に手中にしているオペラ・レパートリーの一部であるということが、その演奏の内容をいっそう確かなものとしているし、シカゴ交響楽団とウィーン・フィルというふたつのオーケストラによる演奏をまじえたものであっても、ショルティの掌握の度合いに何らの違いも見られない。
《トリスタン》が非常に名演である。
冒頭の哀切なピアニッシモからして心惹かれるが、木管の透明さと弦の粘着力を両方相持ち、この曲の世界を的確に描き上げていく。
スケールの大きな《タンホイザー》と押し出しの立派な《ニュルンベルク》もショルティの長所がよくあらわれた見事な演奏だ。
他の曲もきっちりとした整然たる表現になっている。
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