2012年01月25日
アバド&ベルリン・フィルのマーラー:交響曲第9番(1999年ライヴ)
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アバドがベルリン・フィルと組んだ近年の一連のライヴ録音のひとつ。
第3、7、9番と続けて発売されたアバドとベルリン・フィルのマーラーは、このコンビの到達点の高さと同時に1999年当時の録音技術の最高水準を示している。
特に第9番に感動するのは作品の完成度と性格にもよるが、演奏も凄い。
ベルリン・フィルの雄弁さと、"巨匠"への道をゆっくりと歩みつつあったアバドの音楽性が一体となった演奏。
アバドはこの曲で強い自己主張を示している。
鋭い感覚で、アゴーギクとデュナーミクを自在に駆使している。
作品の性格を的確に把握したとも言えるが、なによりも旋律線が芳醇なのがアバドらしい。
ベルリン・フィルといえどもこれほど精度が高く緊張感をたたえた演奏はアバド以外では不可能だろうと思わせるほどで、かつてないような広いダイナミック・レンジと透明度の高い響きで完璧な表現を聴かせる。
奇を衒うことなく正攻法を進んだ指揮者が練り上げた現代のマーラー演奏のひとつのひな型とも言うべき諸要素を兼ね備えた秀演である。
かつてのロンドン響との来日時など、アバドのマーラーの演奏に直に触れたむきも多いだろうが、ここでは、徐々に"自らの道"を固めつつある指揮者の姿と、ライヴの求心力にも目を向けておきたい。
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