2011年07月16日

アバド&シカゴ響のマーラー:交響曲第1番「巨人」


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アバドはマーラーの交響曲でひとつの美学を築いた。

彼にはベートーヴェンやシューベルトの全集もあるが、なによりもマーラーでそれがいちばん貫徹しやすかったのだろう。

彼の美学の基本はさまざまな色合いの縦糸と横糸の精妙な織りなしにある。

絹のような艶っぽさと光沢感、手ざわりのなめらかさなど、どこをとっても流麗かつ繊細で緻密、全体がひとつのゴブラン織のような豪奢な図柄となって浮かび上がるように配慮されている。

スケール感にも欠けず、コラージュ風の構成のマーラーの交響曲にはぴったり。

まさにクリムト風の表層的なアプローチと言えるが、健康なかがやきを失っていない。

そのためにマーラーの心理のどろどろした暗部にはとどきにくい。

この第1番はそうした特徴がよく出ており、土臭さを拭った洗練のきわみをゆく演奏だ。

それに、アバドのマーラーには新鮮な感覚で作品を大胆につかみとった痛快な印象に加え、歌う魅力がある。

実によく歌わせたマーラーであり、旋律は歌わせるためにあるのだという考えを音楽の上で如実に示したような演奏になっている。

そして盛りあげるべきところでは断固とした表情をつくるので、それぞれの楽章に明快な起伏が生まれる。

現代的な、瑞々しいマーラーだ。

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classicalmusic at 22:43コメント(0)トラックバック(0)マーラー | アバド 

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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