2011年07月02日

カラヤンのチャイコフスキー:後期3大交響曲集(1960年代スタジオ録音)


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第4番は何といっても第1、第4楽章の音楽のエネルギッシュな運び方には舌を巻いてしまう。そのおかげで、第2楽章のメランコリックな表情が非常に生きている。

筆者は、昨今のこの曲の演奏は、いろいろなところで仕切り直しをしすぎるような気がしてならない。

このカラヤン&ベルリン・フィルの組み合わせの凄さは、オーケストラが室内楽のように反応して繊細に音楽を紡ぎ出すところだが、この曲の第3楽章で、まず弦楽―木管―金管と3セクションに分かれてテーマを提示した後、それぞれが絡むくだりは実に見事な演奏である。

とにかくインパクトが強いこの盤を、数ある名盤、特に後年回を重ねた同じ組み合わせの録音の中から敢えて選んだ所以である。

第6番《悲愴》に劣らず、第5番も録音回数が多い(5回)。

カラヤン57歳時のこの演奏は2度目の録音で、1964年の《悲愴》同様、彼特有の資質と演奏解釈が直截簡明に伝わってくる魅力的な演奏である。

洗練された響きで流麗に整える一方で、たとえば両端楽章などの高揚する部分ではエネルギッシュに突進する溌剌とした"若い"表現が聴かれるし、第2楽章などまだ充分にこなれているとはいえないまでも、歌いまわしに柔軟さが現れている(前半)。

後年に到達した円熟の表現と比べれば、確かに余韻は浅いかもしれぬが、ストレートな物言いとかスタイリッシュな瑞々しい感性など、ここでしか味わえぬだけに感銘は深い。

カラヤンは《悲愴》の録音を実に7回も行なっているが、この演奏は4度目のもの。

時にカラヤン56歳。

ベルリン・フィルとのいわば興隆期に当たり、彼のスタイルが完全に浸透し完成の域に達したことを示す演奏とも言い得る。

これ以前の演奏で顕著に現れていた威勢のよさや、全体をそつなくスマートにまとめ上げる感触を残しながらも、後の1970年代や晩年にみせる洗練された響きへのこだわりや表現力の増幅などの萌芽が、この演奏からは嗅ぎとれる。

しかも、その両端楽章が過度に噛み合い、バランスが保たれているところに妙味がある。

カラヤン固有の資質が相殺されることなく共存しているこの演奏こそ、最もカラヤンらしいといえるのではないか。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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